エピローグ 魂の琴線に触れた歌『サザーン・グローリー』
ある日、古代の森に囲まれた海でカヌーに乗った。
海と空の青さしか視界に入らない。
波の音しか聞こえない。
揺りかごに身をまかせるように、ただ浮かんでいた。
遠いとおい記憶の中の故郷は、深く大きくやさしい。
やがて・・・
こころが、水のなかに溶け込んでいった。
ある夕方、
ハット(山小屋)に荷物を置いて、険しい頂に登った。
そこには、沈み行く太陽と、これから夜空を照らす月との、光の競演が待っていた。
天の営みは、ときにかなって、幸せに満ちている。
やがて・・・
こころが、光のなかに溶け込んでいった。
帰国後年月を経て、福澤もろさんの歌 『サザーン・グローリー』 とのご縁に恵まれた。
2ヶ月ほど前、この曲をはじめて聴いたとき、
心の奥底で再びくすぶり始めていた ”もどかしさ” が、すーっとほどけ、
涙が止まらなくなってしまった。
命の喜び 、 慈しみの愛・・・・・・
NZという南の島国で、自分自身が体験してきた、
言葉にならない大切なことを、見事なまでに表現してくれていたからだ。
『サザーン・グローリー』 歌詞
福澤もろCD 「HOLY NIGHT」 より
どこまでも水をたたえ 海が広がる
風は太陽の匂い ヤシを揺らせる
一瞬の朝の雨は 自然のやさしさ
花は歌い 色づく楽園
生きてて良かった 喜び抱きしめ
永遠に繰り返した 罪を許して
忘れかけてた涙が 頬に伝わる
空を仰いだ私は コーラルの浜辺
ゆっくり寄せる波あらうたび
生まれた時の 生命に戻る
天は青い海に溶け 海は天に溶け
魂になった心は その世界に溶け
人生のひとときを 南に浸る
一瞬の雨が通る様に
感じたやさしさ 生きてる喜び
どこまでも水をたたえ 海が広がる
風は太陽の匂い ゆれる楽園
もろさんの楽曲は、
彼の澄んだ歌声、そしてシンプルな詩が、
輝ける光の力によって、
神聖なまでに美しい、音の世界を紡ぎだしている。
この曲を聴くたびに、
水の女神の羽衣が透けてみえるような感覚におちいる。
そして、ふっと祈りの風が吹くと、
とても清らかな静寂に包まれて、
NZの太古の森で、海で、湖で出合った、
本当の自分が呼び覚まされる。
それは、時空を越えた命の源、
・・・・・・ 愛、そのものだ。
みんなが、笑顔で挨拶を交わして、気持のよい言葉をかけあう。
みんなが、全てのことに感謝し、ひとの幸せのために祈る。
これだけでいいんだ。
生きとし生けるものすべては繋がっている、ひとつなんだよね。



