16 南半球に浮かぶ楽園
10年以上愛用していた登山用のリュックをバイクの背中にくくりつけ、旅に出た。
国土は日本の3/4、
南と北の2つの島に、ナショナル・パークが点在し、
国をあげて自然環境の保護にとり組んでいる。
島の背骨にあたる、神々しいまでのサザンアルプス、
時が凍てついてしまったかのような氷河、
神秘的な光を放つフィヨルドと川や渓谷や滝、
畏怖を感じさせつつもどこか懐かしい火山地帯、
境界を越えてどこまでも続く広い海と空、
豊富な水に抱かれた太古の森、
ため息がもれるほど美しい湖、
そして、そこに息づく野生の動植物たち・・・
(森の民マオリと、原生の森を切り開いて牧草に変えていったヨーロッパ移民との
悲しい歴史は今も進行形で続いているが)
その大自然の懐に、無防備に飛び込んでいったわたしには、
宝の箱をひっくりかえしたようなキラキラと輝く印象を深く刻みつけてくれた。
この国は、
三日月が左側に光っている、
水が右に渦巻いている、
そして、天の川の中に南十字星が見える…
対極にある南半球には、新しい発見がたくさんあった。



